秋月電子通商のGPSモジュール【K-13850】に替えて、みちびき3機受信に対応したアンテナ一体型の【M-12905】を使ってLCD時計を作りました。
GPSモジュールの端子(5V、GND、Rx、Tx)は互換性があったので、GPSモジュールの入れ替えのみで同じスケッチで動作します。
準備したパーツ
ネット通販(秋月電子通商 など)でパーツを集めてブレッドボードで組み立てました。
GPSモジュールを「GNSSチップ:UBX-M8030-KT(u-blox)【M-12905】」に入れ替えたのみなので、使ったパーツは「GPSモジュール【K-13850】」で製作した時と同じです。
GPSモジュール【M-12905】の5本の出力線は、はんだメッキした線材むき出しなのでオスのジャンパーワイヤ端子を加工して取り付けています。
# | パーツ | 仕様 | 個数 | 備考 |
1 | Arduino Uno Rev3 | ATmega328 | 1 | 【M-07385】 ※テスト時利用 |
ELEGOO Nano互換ボード | CH340/ATmega328P ※3個入りパッケージ ※ピンのはんだ付けが必要 | ※ケース組込時 | ||
2 | GPSモジュール | 1PPS出力 みちびき3機受信対応 GT-902PMGG (Magnetic Mount) GNSSチップ: UBX-M8030-KT(u-blox) ※ピンのはんだ付けが必要 | 1 | 【M-12905】 |
3 | スイッチング・ ダイオード | 1N4148 | 1 | 手持ち |
4 | 抵抗 | 10kΩ 1/4W | 1 | 手持ち |
5 | LCDモジュール I2C接続 16×2行 | 白色バックライト ACM1602NI-FLW-FBW-M01 | 1 | 【P-05693】 |
6 | 半固定ボリューム | 10KΩ | 1 | 【P-03277】 |
7 | ブレッドボード | EIC-801 | 1 | 【P-00315】 |
8 | ジャンパーワイヤ | オス-オス 10cmセット | 適量 | 【C-05371】 |
9 | ACアダプタ | 9V 1.3A 100~240V | 1 | 【M-00030】 |
【M-12905】GPSモジュールはアンテナとモジュール基板が一体型なので、【K-13850】のモジュール基板上にはあった1秒毎に点滅表示するLEDがありません。
LED表示で受信(追尾)状況を把握するためにGPSモジュールの1PPS線に下記のパーツを追加しました。1PPS出力は、C-MOSロジック(3V)レベル、パルス幅:100mS(アクティブHigh)です。GPSモジュールの追尾が完了するとLEDが点滅し始めます(電源を入れて数十秒~数分ほどかかります)。
# | パーツ | 仕様 | 個数 | 備考 |
10 | トランジスタ | 2SC1815 等 | 1 | 手持ち |
11 | 抵抗 | 2.2kΩ 1/4W | 1 | 手持ち |
12 | LED | 取り外し品のため型式不明 | 1 | 手持ち |
13 | 抵抗 | LEDの電流制限抵抗 1kΩ、10kΩ 1/4Wでテスト LEDの明るさを抵抗値で調整 | 1 | 手持ち |
Arduinoの開発環境「Arduino IDE」
Arduino IDEが未インストールの場合は、PC環境に合わせてArduinoの公式サイトからダウンロードしてセットアップします。
https://www.arduino.cc/en/software
Arduinoボードの開発環境となる「Arduino IDE」のインストール、各種センサや液晶ディスプレイといったモジュールとArduinoとの接続を容易にする「ライブラリ」を活用したスケッチ作成までの手順メモです。
結線図
動作確認したArduino Uno Rev3とGPSモジュール【M-12905】を使ったLCD時計の結線図です。デジタルピンD10とD11をRx、Txに割り当てています。
GPSモジュールの電源電圧はDC3V~5.5Vですが、入出力信号レベルは3V(3.3Vデバイスで使用可)です。
スケッチ:GPSから取得した日時をLCDに表示(2022/12/1 スケッチ見直し)
GPS衛星からUTC(協定世界時)を受信して adjustTime でJST(日本標準時、9時間進めた時刻UTC+9)に変換してLCDモジュールに日時表示するスケッチ「GPS_clock_LCD.ino」を作りました。
ライブラリには、GitHub:mikalhart/TinyGPSPlusサイトの TinyGPSPlus-master.zip を利用させていただきました。zipファイルをPCにダウンロードして保存(「Code」ボタンをクリックして「Download ZIP」)。Arduino IDEのメニューの「スケッチ」→「ライブラリをインクルード」→「.ZIP形式の ライブラリを インストール」で ダウンロードしたZIPファイルを追加します。
液晶モジュールのI2Cアドレスは0xa0。液晶モジュール用のI2Cライブラリは「構想100年」サイトの LcdCore_20120528.zip と LCD_ACM1602NI_20120528.zip を利用させていただきました。
曜日はツェラー(Zeller)の公式で算出しています。
最大30720バイトのフラッシュメモリのうち、スケッチが10288バイト(33%)を使っています。
最大2048バイトのRAMのうち、グローバル変数が834バイト(40%)を使っていて、ローカル変数で1214バイト使うことができます。
GPS_clock_LCD.ino
※ここをクリックするとコード表示を開閉できます。
#include <Arduino.h>
#include <Wire.h> // Arduino IDE のI2Cライブラリ
#include <TinyGPS++.h> // https://github.com/mikalhart/TinyGPSPlus
#include <SoftwareSerial.h>
#include <TimeLib.h>
#include <LcdCore.h> // LCDコアライブラリ
#include <LCD_ACM1602NI.h> // 秋月I2C液晶用のI/Oライブラリ
#define time_offset 32400 // UTC+9時間(3600 * 9 秒)
static const int RXPin = 10, TXPin = 11;
static const uint32_t GPSBaud = 9600;
TinyGPSPlus gps; // The TinyGPS++ object
SoftwareSerial ss(RXPin, TXPin); // The serial connection to the GPS device
LCD_ACM1602NI lcd(0xa0); // 0xa0は液晶モジュールのI2Cアドレス
int o_sec; // 古い秒の格納
int day_week; // 曜日
char DayWeekData[7][4] = {"Sun","Mon","Tue","Wed","Thu","Fri","Sat"} ;
void setup(void)
{
Serial.begin(9600);
ss.begin(GPSBaud);
Wire.begin(); // I2C初期化
lcd.begin(16, 2); // ディスプレイの行数(16)と桁数(2)
}
void loop()
{
while (ss.available() > 0)
{
if (gps.encode(ss.read()))
{
if(o_sec != gps.time.second()) //GPSから取得した秒が変わったら時刻を更新
{
o_sec = gps.time.second();
setTime(gps.time.hour(), gps.time.minute(), gps.time.second(), gps.date.day(), gps.date.month(), gps.date.year());
adjustTime(time_offset); //JST変換
// JSTの日付、曜日、時刻の表示
day_week = getDayWeek(year(), month(), day());
lcd.setCursor(0, 0);
lcd.print(year());
lcd.setCursor(4, 0);
lcd.print("/");
lcd.setCursor(5, 0);
lcdzeroSup(month());
lcd.setCursor(7, 0);
lcd.print("/");
lcd.setCursor(8, 0);
lcdzeroSup(day());
lcd.setCursor(11, 0);
lcd.print("(");
lcd.print(DayWeekData[day_week]) ;
lcd.print(")");
lcd.setCursor(0, 1);
lcdzeroSup(hour());
lcd.setCursor(2, 1);
lcd.print(":");
lcd.setCursor(3, 1);
lcdzeroSup(minute());
lcd.setCursor(5, 1);
lcd.print(":");
lcd.setCursor(6, 1);
lcdzeroSup(second());
}
}
}
}
// 曜日の計算(ツェラー(Zeller)の公式)
int getDayWeek(int year,int month,int day)
{
int w ;
if(month < 3)
{
year = year - 1;
month = month + 12 ;
}
w = (year + (year/4) - (year/100) + (year/400) + (13*month+8)/5 + day ) % 7;
return w;
}
// 月、日、時、分、秒が0~9の場合、1桁目を 空白 もしくは 0 に置換
void lcdzeroSup(int digit)
{
if(digit < 10)
lcd.print(' '); // 現在「空白」
lcd.print(digit);
}
Arduino Nano互換ボードで小型化(2022/11/3追加)
ケースに組み込むため、Arduino Uno Rev3をELEGOOのNano互換ボードと入れ替えました。NanoのI2Cは、SDA:A4ピン、SCL:A5ピンです。
利用中の衛星数をLCDに表示スケッチ(2022/12/6 追加)
Arduinoと秋月電子通商のGPSモジュール【K-13850】と【M-12905】を使ったLCD時計用に、利用中の衛星数を表示するスケッチを作りました。
空きエリアだったLCD画面の右下に衛星数(s=xx)を表示します。