845真空管パワーアンプ内に3台の機器を切り替えるRCAライン入力セレクタを追加

845真空管パワーアンプ「SV-S1628D」への接続機器が増えてきたので、シャーシ加工して3台の機器を切り替えことができるRCA入力ラインセレクタを追加しました。

目次

RCAライン入力セレクタのパーツ選び

RCA端子のグランドはパワーアンプのシャーシから絶縁されており、RCA端子からセレクタスイッチまでは1芯シールドケーブルで配線しました。セレクタスイッチの部分でRとLチャンネル毎にシールドケーブルのグランドを纏めて共通化し、セレクタスイッチのコモン端子(選択されたRとLの出力)とRとLのグランドの4線(シールドケーブル2本)を1軸2連ボリュームに結線しました。このグランドはこの後シャーシの1点アースポイントにつながります。

RCAラインセレクタのパーツ
ロータリースイッチは、2回路3接点でよかったのですが手持ちの3回路4接点を活用しています。切り替え時にショートしないタイプ(ノンショーティング)です。
(1)ロータリースイッチ   1個
 ※3回路4接点 アルプス製 (手持ち品を活用) 
(2)RCA端子(白) RJ-2008BT/W 2個
(3)RCA端子(赤) RJ-2008BT/W 2個
(4)つまみ サトーパーツ K-2195 M 1個
(5)シールドケーブル(1芯)適量
 MOGAMI (モガミ) 2520 白
 MOGAMI (モガミ) 2520 赤

アルプス製のロータリーSWの端子配列の一例(3回路4接点)
アルプス製のロータリーSWの端子配列の一例(3回路4接点)。コモン端子は、端子の外端に出っ張りがあります(黄色丸の3箇所)。背面から見て、コモン端子から右回りに次のコモン端子の前までが接点数です。

ボリュームにクリック感が欲しかったので、今回の改修に合わせて交換しました。
(6)1軸2連ボリューム アルプス RK27112 A 100KΩ 21点クリック 1個

真空管パワーアンプのシャーシを載せる支柱の準備

配線変更や部品交換といった点検作業時は、シャーシを逆さにして底板カバーを外した状態で倒れないように固定する必要があります。
出力管845は電源トランスより2cmほど背が高く搭載されているので、裏返す際は支柱で上げ底しました。重量がある電源トランスと前面の左右両端の3か所に、建材用途で使われるフクビのマルチポスト + 滑り止めシートを設置して15Kgのシャーシを支えています。マルチポストや滑り止め、クッションは近くのホームセンタで購入しました。

真空管パワーアンプのシャーシを載せる支柱
通電検査時に845の発熱で木机が焼けないように要注意です。

支柱用のパーツ
フクビ マルチポスト 3A型 59~83mm ※電源トランス支持、1個
フクビ マルチポスト 8A型 194~275mm ※前面の両端支持、2個
・滑り止めシート 9cm X 9cm(5枚入り) ※滑り防止用
・クッション コーナー用 ※両端の突起物(Bias Adj.等)回避用、2個

シャーシの加工、パーツの取り付けとシールドケーブル配線で完成

パネルに引っかき傷がついたり、シャーシ内部に切削くずが落ちないように薄紙とマスキングテープでしっかりと養生してから、取り付け用の丸穴
 ・ロータリーSW:2箇所(主軸と固定用突起)
 ・RCA端子:4箇所(赤、白を各2組)
を電気ドリルで開けました。
鉄シャーシに大きな穴を開ける際は2.5mm程度の小穴を開けてから、ドリル刃をミニホールソーに交換して大きなサイズの穴を開けました。
ドリルで開けた穴をやすりでバリ取りしてパーツを取り付け、シールドケーブルで配線します。正しく配線できているかをデジタルマルチメータ(テスタ)でチェックして完成です。

シャーシの加工、パーツの取り付けとシールドケーブル配線で完成
RAC端子(右上)からライン切り替え用のロータリースイッチ(右下の左側)、ボリューム(右下の右側)、12AU7までシールドケーブルで配線しました。 
注)845用のフィラメント電源は外部電源から供給しているので取り外しています。

ノイズやゲイン不足を心配しましたが、現状(自分の耳で聞いた限り)では影響はないです。
アルプス製のロータリースイッチはコツ、コツと切り替える感触が良いです。

RCAライン入力コネクタ(右端)を2組増設したシャーシ背面
RCAライン入力コネクタ(右端)を2組増設したシャーシ背面です。
左端がボリューム、その隣が追加したRCAライン入力セレクタSW
左端がボリューム、その隣が追加したRCAライン入力セレクタSWです。※写真撮影のためにスピーカを845真空管アンプに近づけていますが、普段は845からの熱を避けるためにもっと離しています。

掲載内容は本体の改造を推奨するものではなく、試みた経過や結果を紹介しています。
真空管を扱った機器は内部で高電圧が使用されています。内部のシャーシや配線に触ると感電するなど非常に危険ですので注意しましょう。

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