蛍光表示管(Vacuum fluorescent display、VFD)は1966年にノリタケ伊勢電子(旧伊勢電子)で開発された国産技術。青緑色の蛍光表示はニキシー管とも違って独特の趣きがあります。
蛍光表示管IV-21を使ったArduino用の時計キット
スイッチサイエンス(hayasitaさんからの受託販売商品)から、ロシア製蛍光表示管IV-21を使ったArduino用のVFD Shield for IV-21キットを入手して作りました。
集めたパーツ
# | パーツ | 個数 |
1 | VFD Shield for IV-21キット 蛍光表示管IV-21を使ったArduino用の時計キット 機能拡張版スケッチ サポートページ 組み立てガイド | 1 |
2 | Arduino Uno R3 | 1 |
3 | ACアダプター 9V/1.3A | 1 |
VFD Shield for IV-21キットの組み立て
蛍光表示管IV-21は、直径15ミリ、全長68ミリの試験管状のガラス管の内部に、7セグメントとピリオドの数字表示8桁と記号表示の1桁が内蔵されています。
組み立てガイドに詳しい作成手順が記載されているので組み立ては容易でした。はんだ付けが終わったVFD Shield for IV-21の本体と蛍光表示管ユニットをArduino Uno Rev3に合体して完成です。
VFD Shield for IV-21の基板には3つのタクトSWがあり、表示モード切替や設定を行うことができます。

スケッチとライブラリをダウンロード、Arduino IDEで実行
GitHubの機能拡張版のページからスケッチ「VFDShield_for_IV21.ino」をダウンロードしてArduino IDEに取り込みます。
その際、スケッチの動作に必要となる4つのライブラリ:「TimerOne」、「Time」、「DS1307RTC」、「InputTerminal」のzipファイルを同ページに記載の[Mirror]のリンクサイトからダウンロードしてArduino IDEのメニューから読み込ませておきます。
スケッチを実行すると、蛍光表示管の時刻表示は00:00:00からスタートしました。

機能拡張版のスケッチには、3つのタクトSWを操作することで、表示モード切替や設定を行う多くの機能が作りこまれています! GitHubの機能拡張版のページにその操作手順の記載があります。下記は、今回の初期設定時に使った手順のメモです。
時刻合わせ
時計・カレンダーの設定は基板上のタクトSWから可能ですが、ダウンロードした「DS1307RTC」ライブラリに付属するサンプルスケッチ「SetTime」で行いました。Arduino IDEで「SetTime」を取り込んで、シリアルモニタを実行することで、現在の日付、時刻に設定されるので簡単です。
電気2重層コンデンサでバックアップされているので、電源の差し替え時もRTCは保持されました。


蛍光表示管の輝度調整
SW1を長押しして「表示モード」を「5.VFD輝度調整」に切り替えると「88888888」が表示されます。ピリオドが点滅している桁の輝度を、SW2でプラス、SW3短押しでマイナスすることができます。
SW1を短押しすることでピリオドを順送りに移動させ、輝度を15段階で調整が可能です。
蛍光表示管の寿命に影響あるかは不明ですが、最大輝度で使っています。

蛍光表示管IV-21が時を刻みだしました
蛍光表示管IV-21は不点灯や発光のちらつきもなく、時刻を刻みだしました。青緑色の蛍光表示はニキシー管とも違って独特の趣きがあります(本ブログに掲載した写真は照明の関係でやや青みが強く映っています)。
SW2かSW3を短押しすることで「時計表示」と「カレンダー表示」を切り替えることができました。


二合枡ケースへの組み込み(2021/6/1追記)
蛍光表示管IV-21の配置を変えるため、IV-21基板とメインボードをつなぐピンヘッダ(メスーオスL型)2×10(20P)の間にブレッドボード・ジャンパーワイヤ(オス-メス)10cmを入れて延長しました。
蛍光表示管IV-21の保持に使ったパーツ
・ナイロンクリップ(AB-10N)
・ジャンパーワイヤ(オス-メス)10cm
・M3ネジ、平ワッシャー、ナット
蛍光表示管IV-21の両端をナイロンクリップ2個でアルミパンチ版に緩めに固定しました。ナイロンクリップの内側にはクッション材として布絶縁テープを巻いています。



電源は、二合枡の背面に付けたACアダプター接続用のDCジャックの端子からArduino Uno Rev3のVinとGNDにジャンパーワイヤでつないでいます(VFD Shield for IV-21の基板のVinとGNDにはんだ付け)。
時刻合わせの際に、Arduino Uno Rev3ボードのUSB端子をPCにつなぐ必要があります。その都度ケースを分解するのも面倒なので、USBミニB端子の延長基板を作りました。
